カサンドラ研究アンケート

アンケート
ご協力のお願い

カサンドラ症候群のは名前がついて認知されてからの年数が浅く、まだ、研究がほとんど進んでいません。 あなたの経験談をお寄せいただけないでしょうか。アンケートにご回答いただくと、カサンドラ症候群の研究に役立てられ、あなたの苦しかった経験が、後世の人を助ける力に変わります。何卒ご検討ください。 詳しい研究の内容は下記に記します。

研究テーマ

「医療分野(精神と脳)と情報学の連携によるカサンドラ症候群と大人の発達障害の周知・理解とサポート体制の確立」
「カサンドラ症候群の精神的負担の実態調査及び漫画やイラストによる社会への情報発信」
この二つを大きな目的に掲げて活動しております。

研究の目的

カサンドラ症候群とは、正式な疾患名ではなく、ASDやADHDなどの発達障害の当事者を支える周囲の人(家族やパートナー)が精神的に疲弊し、心身に様々な不調をきたした症状をいいます。発達障害の人は相手の気持ちを想像することや、空気を読み取って適切な言動をとることが苦手な特性があり、周囲のサポートが不可欠だと言われています。「大人の発達障害」はメディアでもよく取り上げられるようになっており、社会での理解も進みつつありますが、一方でサポートする周囲が抱える、自分の気持ちをわかってもらえないことに起因した様々な苦悩にはあまり焦点が当たっていません。 また、発達障害が原因で二次障害を引き起こすことが知られていますが、自身やパートナーの障害に気づかないまま、表面的な二次障害の症状(うつ病、引きこもり、不安障害、暴力暴言、依存症など)に悩み苦しんでいる人も多いのが現状です。

科研の全研究のうちASDの研究は1700件以上ありますが、カサンドラ症候群の研究は僅か3件ほどであり、カサンドラ症候群の研究が進んでいないのは明らかです。現在、カサンドラ症候群の自助団体や専門のヘルプグループは全国で5件もなく、サポート体制も充実しているとは言い難い状況です。
カサンドラ症候群について社会の認知度を上げ、理解してもらうとともに、自身や家族がカサンドラ症候群や発達障害だと気付いていない人々に気づきを与え、問題解決の方法を探ることを研究の主たる目的としています。 カサンドラ症候群が正式な病名として認められていないことから、医療機関での研究は困難であり、情報学と連携してデータを収集・解析するのがもっとも効率的かつ最善の方法であると考え、「医療分野(精神と脳)と情報学の連携によるカサンドラ症候群と大人の発達障害の周知・理解とサポート体制の確立」というテーマを設定しました。

東京大学では発達障害の特性を持つ学生の割合が他大学より高いと言われており、専門の相談機関も設置されて、ASD当事者の研究やサポート体制は整いつつあります。知的障害や言語障害を伴わないASDは、幼少期に障害を見逃され、適切な療育が受けられず未診断のまま大人になり、就職、結婚、子育てと環境が大きく変化し、人間関係やタスクが複雑化されて、二次障害を発症して初めて根底の発達障害が明らかになる場合もあります。 二次障害には、精神疾患(うつ、不安障害、適応障害、統合失調症など)や問題行動(暴言・暴力、モラハラ、アルコール依存症、ギャンブル、金銭的DVなど)があり、ASDへの適切な対処がされない期間が長いほど二次障害発症リスクが高くなります。

対策しない期間が長けれな長いほど、当事者・周囲双方の問題は深刻化し、回復までの期間も長期化し、取り返しのつかない事態を招く危険性もあります。実際、東京大学の「大学生の発達障害における自殺関連行動」の研究では、自殺関連行動を報告した者は発達障害の指標が有意に高かったと報告されています。
当事者がASDを自覚し、専門機関で脳の特性と上手く付き合う方法を学び、周囲の適切なサポートのもと意識して生活し、本人も周囲も楽になるという一つの大きなゴールにどれだけ早く辿り着けるかが喫緊の課題であると考えています。

成長した女性

研究の方法

まずは、カサンドラ症候群をサポートする専門のサイトを立ち上げ、サイト内にはアンケートや体験を投稿する機能を設け、自身がカサンドラ症候群か、パートナーが発達障害か、その可能性を客観的に判断できるサイトにします。 この時、発達障害当事者では気づきにくい症状などをカサンドラ症候群の方目線のデータをアンケートで収集することで、今まで研究対象になかった、「発達障害を疑われる未診断の人の周囲からみた症状・特性・困難」などの情報収集が可能になります。重症な場合は、病院やカウンセラーなどの専門機関の紹介をし、医療と情報の連携を図ることでサポート体制の確立を図ります。

カサンドラサポートのサイトが充実してくると、パートナーの発達障害に気づかないままアルコール依存症や暴力や金銭問題といった問題行動に悩んでいるひとにも、「カサンドラ症候群」や「大人の発達障害」の情報が届くようになり、根本的原因への気づきを与えることができると考えています。

脳や精神の疾患・不調は、「心・感情」と関係しており、現代の医学では説明不可能で解明されていない点が数多くあるため、医療の分野よりも情報学の分野から研究を開拓すべきだと考えます。 本サイトが、カサンドラ症候群と大人の発達障害のプラットフォームとなり、社会に認知され、発達障害に関わる全ての人が生きやすく幸せになる切り口となると確信しています。治療不可能な脳の特性に苦しむ人もそうでない人も格差なく生きられる理想的社会の実現のために、医療と情報学との連携は現代社会に順応した効率的かつ画期的な必要不可欠研究の手法です。

更なる発展として、AIによる発達障害診断補助も検討しています。ASDの特性を持つ人は特有の表情や視線の配り方や話し方の特徴があり、発達障害の専門家は分かると言われていますが、診断は医師によってまちまちです。もし診断基準を統一化することができれば、診断までに長い年月がかかったために二次障害を発症して長年苦しむ当事者や周囲を減らすことができ、結果的に当事者も周囲も救うことにつながると考えます。情報学と医療が連携して工夫して新しいものを取り入れることが問題解決につながると確信しています。

ネットでアンケートを集計中の女性
アンケート結果を解析して分析中の女性

研究の新規制・独自性

医療分野の正式な病名として認められていない「カサンドラ症候群」は「感情剥奪症候群」とも言われ、長い時間をかけて本人も気づかないうちに罹患している感情の状態です。正式な病名として認められていないこともあり、研究はまだほとんど進んでおらず、新規性のある研究テーマと考えます。また、大切な身近な存在である人(大人の発達障害を疑われる特性がある方)と心の通った交流ができないことが原因で発症することから、血液検査や顕微鏡で何かを発見できるわけではない「脳と精神の分野に関わる研究」であり、それを情報学と連携させることによって本人からのアンケート協力という形で情報を得て、解析して数値化しようとしているところに、独自性があります。

カサンドラ症候群は診断できませんという医師

期待される成果

カサンドラ症候群サポートサイトを運営していく中で、情報発信力・影響力のあるサイトに成長させることができれば、発達障害やカサンドラ症候群について知識がなかったために気づけなかった方々に問題の根底にある原因に気づくきっかけを与えられることが期待されます。また、カウンセリングや医療機関につなげることができれば、ネットワークが広がり、様々な立場の人の理解が深まり社会の姿勢も変わってくると考えます。
さらに、早い段階で発達障害の正しい付き合い方を学ぶことができれば、二次障害を防ぐことにもつながります。

発達障害というのは、知的障害を伴わない場合発見が遅れるケースが多く、誰にもきづかれないまま見過ごされ続けると新たな問題に発展しかねません。不登校やいじめ、アルコール依存症、買い物依存症、ギャンブル依存症、暴力、暴言、借金問題、失業、突然の自殺など、色々な原因不明の解決の難しい問題には、発達障害が関わっているケースがあることが明らかになってきました。
情報学が医療分野や精神の分野と連携することで、今までにない研究の形が構築されると考えています。
偶然サイトを目にした人が、自分の家族や上司や部下や友人が発達障害と気づき、思わぬところから対策できるきっかけを提供できる可能性もあります。

解決策と進むべき正しい道を見出した夫婦

遺伝と
子供たちのために
できること

パートナーが発達障害の可能性があると気づき、それを受け入れることができるようになったとき、次に考えるのは、子供への遺伝のことではないでしょうか。また、子供の発達障害が診断されたことがきっかけで、夫の発達障害にも気づいたという場合もあります。 現代の医学では生まれ持った脳の特性つまり遺伝を変えることはできません。カサンドラ症候群になっている方の中には、子供への影響やこれから直面する苦労を想像して苦しんでいる方もいるのではないでしょうか。 大切な子供が発達障害が原因で二次障害になったら?将来いまよりもっと苦労したら?と将来への不安は想像し始めると尽きることはありません。
それは、今の社会が発達障害がある人に対してのサポート体制が十分でないからではないでしょうか。今の日本は集団行動や普通の型にはまって個性をなるべく抑えて周りに合わせることを求められがちですが、この生き方は発達障害の方には特に苦しいものです。
しかし、ASDのいい面、ADHDのいい面もあり、それを生かすことができれば他人にはない才能として開花することもできます。安心して暮らせる社会になれば、ASDの特性が子供に遺伝しても、プラスの気持ちで乗り越えられるようになれると考えています。この研究が少しでもそのためのお力になれますように。

安心した家族