「カサンドラサポート」は、大人の発達障害の特性を持つ当事者を支える立場である周りの方々をサポートするためのWebサイトです。
カサンドラ症候群とは、正式な疾患名ではなく、発達障害の当事者を支える周囲の人(家族やパートナー)が精神的に疲弊し、心身に様々な不調をきたした症状をいいます。具体的な不調の症状は人によって異なりますが、不安障害、鬱、不眠、思考力の低下、頭痛、コントロールできない苛立ち、慢性的な絶望感や孤独感、突然泣いてしまうなどの情緒不安定、パニック障害、強い自責の念、自己肯定感の低下などがあります。
発達障害の人は相手の気持ちを想像したり、空気を読み取って適切な言動をとるのが苦手な特性があり、周囲のサポートが不可欠だと言われていますが、一方でサポートする周囲が抱える、自分の気持ちをわかってもらえないことに起因した様々な苦悩にはあまり焦点が当たっていません。発達障害当事者を支える周囲のサポート体制は確立していないということです。発達障害の人と向き合うのは、想像以上にエネルギーが必要です。自分の心を守りながら相手を支える技術をみにつけなければなりません。
カサンドラ症候群を卒業する方法、サイトの内容のまとめと結論をここに記しておきます。忙しくて全てに目を通せない場合はここだけでも読んでください。
自分の心に嘘をついて誤魔化し続けるのは苦しいし、いつか限界がきます。心のモヤモヤ、どんなことを言われてどんな気持ちになったのかノートに書いて整理すると気持ちが落ち着き心を客観しすることができます。ただ、マイナスな感情を書いて吐き出すだけで、ぐるぐると堂々巡りしていた悩みが解消されてマイナスな感情が浄化され、不安がなくなり、新たな気づきがあると言われています。感情日記という書く治療もあり、頭で考え続けるのではなく「書いて思いを吐き出す」ことが重要です。
思い詰めていると、道端に綺麗な花が咲いてあっても気づかないし、美しいものを美しいと感じる余裕さえ無くなっています。美味しいものを食べたり、綺麗な花や絵画を見たり、クラシック音楽を聞いたり、リンパエステに行ったりして、まずは自分自身を癒して心と体を回復することです。自分の感情を絵で表現するアート療法というものもあることから、絵を描くことも効果的です。歌を歌ったり楽器を弾いたり、何かの芸術を通じて自分を表現することは心にプラスの影響をもたらします。 自分を苦しめている原因に意識を向けずに距離を置き、何かに夢中になって楽しめる時間を作ってみてください。
ASDは生まれつきの脳の特性なので、一生ASDであることは変わりません。そして変わってほしいと思うのは、どれだけ正論でもあなたの都合なので、相手に求めてはいけません。あーしてほしい、こーしてほしいと思うと、そうしてもらえなかった時に恨みや憎しみや悲しみといったマイナスの感情が生まれてしまいます。諦めるのではなく、最初から求めないことが大切です。 相手は変えられないので、自分が変わるしかありません。自分が変われば、相手や環境は自然と変わっていきます。 間違っても、定型発達の型にはまってほしいと願ったり、無理に型にはめようとしたり、他人のパートナーと比べたりしないことです。それは、お互いに傷つき苦しみ疲弊する原因になります。 そして、心が平穏でいられて自分の心を守り傷つかないところまで、相手と距離を取るようにしましょう。
これが一番難しいけれど、最終的なゴールです。病気になった人が、「病気になってよかった」とか「病気が教えてくれたから感謝している」と言っているのをエッセイや闘病記で目にしたことはありませんか。カサンドラ症候群も同じです。
感情的にならずに、ASDと深く関係を持ち、カサンドラ症候群になったことの意味を本気で考えてみましょう。学んだこと、よかったこと、気づいたことを書いてまとめていると次第にASDの相手やカサンドラ症候群に感謝できるようになってきます。
感謝の度合いが上がり、種類が変わると、悲しい、寂しい、悔しい、怒り、憎しみといったマイナスの感情も全て薄らいでいきます。どうやったら感謝できるかを常に意識する生活に変えると、悩み続ける生活から脱却できます。
その次元に到達すれば、カサンドラ症候群による心身の不調もなくなっているでしょうし、相手に振り回されたり、自責の念にかられたり、自分を見失うことはもうないはずです。
そして、余力があれば、発展として、同じような苦しみを味わっている誰かを助けるために自分ができることは何かを考え、行動に移してみましょう。人に必要とされ、感謝されると、誰より自分が幸せを感じて生きる意味を見出せます。
思いやりの一方通行
気遣いのない自分勝手な言葉
負の感情の蓄積で心が不安定に
周囲に理解されない苦しみ
子供への無関心による孤独
将来への不安で不眠に
カサンドラ症候群は大人の発達障害を抱えた当事者を支える周囲、特にパートナーをはじめとした家族に現れる心の症状を指します。
「大人の発達障害」については認知が進んできておりますが、カサンドラ症候群は認知も研究も進んでおらず、サポート体制の確立までには至っていません。
研究が進めば、研究者規模も大きくなり、社会の認知や理解も進み、カサンドラ症候群の人の心だけでなく、大人の発達障害当事者も救うことにつながります。
パートナーの発達障害や自身のカサンドラ症候群を疑い、お悩みの方、あなたがアンケートに回答することが、大人の発達障害をもつ当事者・周囲双方が幸せに生きる社会の実現のために、是非、研究アンケートへのご回答をご検討ください。